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昨日は結局お洗濯中にベランダで融通の利かない台湾リスと喧嘩して大幅に時間が狂ったため、シャブロルに間に合わず…渋谷でオリヴェイラを再び、2本みて、エドガー・ライトをこよなく愛する支配人とビールがぶがぶ、そのまま夜のライズで『スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団』を見てきました。外国のお客さんより大きな声でケタケタ笑うかつての劇場の支配人と一緒に行けたのはとてもラッキーでした。この映画は今の地方の単館の、かっつめスケジュールの中でひときわ煌めいて欲しい作品。キッズたちに。普段は勉強や部活ざんまいの地方のキッズたちに。あるいは孤独を持て余してるキッズに。そして今はそういうこともすべて出来ない状況にあるキッズたちに。大丈夫この映画は禁止用語をうまいことネタで隠してあるからR指定じゃない。
ローラーガールズ・ダイアリー』が地方でもコケたって話をシネモンドで聞いたときはショックだったけど、よく考えれば自分たちも『ゴーストワールド』シネモンドで見たんじゃなくってWOWWOWで録画したやつ回して見てたんじゃんね。どんな形でだっていい。誰かと「これ面白いね」があればいいよ。今日は10年前にその録画したビデオ貸してくれた友達の誕生日で、あさっては自分の誕生日。おめでとう、おめでとう。
私は東京で映画館の味を占め、ルノワール森崎東ボリス・バルネットの映画を見知らぬ人たちとみて、場内が笑いでねじれるという異様な体験を知りました。いつも夕方かレイトのくたびれて少しだけ忙殺していたはずの惨めな思いがめくれてくる そんな時間帯にケタケタと心底から笑って過ごせたのは、今にして思えば大きなことでした。
フィクションの抱える力は今すぐ訴えるものではないし、いま現在多くの実際に出来ることからは遠くにあるような気にさせられるけれど、及ぼす力は多くの作品の見かけほど呑気なものでもないはずです。「これいいね」から始まるエトセトラが、いずれまたそこかしこに溢れるよう、色んな形での届け方を考えながら生活していきます。



マノエル・デ・オリヴェイラコロンブス 永遠の海』『ブロンド少女は過激に美しく』/オーディトリウム渋谷:http://a-shibuya.jp/archives/395

スコピル公式サイト:http://www.scottpilgrimthemovie.jp/index.html