吹雪

関東の寒さは乾燥も相俟って引き裂かれるような、引きちぎれるような痛い寒さ。北風小僧の寒太郎。なのに今年はわりと雪が降る日が多いのもあって湿気がある。湿度があるほうが何となく暖かい。それでもさすがに気温が下がってくると今度は手袋の先がじんじんと来る、あの凍てつく寒さ。バイクに乗るときは手袋を二重にしているのに、指先がじんじんするとは…何とも懐かしい寒さだ。しかし、何じゃね今日の吹雪は。だいたい昨日から雪降る降ると言われてたのに、バイクでないと行けない距離の最寄りTSUTAYAで前日に一泊二日のDVDを借りて来た私は何じゃね、いったい。部屋ごもりになることまでは分かっていたんだけど、心のどこかで夜には晴れるだろうと思ってたらしい…途方に暮れる。


それで結局、借りてきたもの見るんでなく。
今日見たのはアンソニー・マンの『高い標的』(1951年)
アンソニー・マン版『バルカン超特急』みたいな作品。高い標的(The Tall Target)とはリンカーン大統領のこと。リンカーンの暗殺計画を未然に阻止しようとするのが、ジョン・ケネディ刑事。ってもう混乱するような名前。ケネディ刑事役のディック・パウエルがね、ここではもう後のウォルター・マッソーへと連なるような顔つきしてましてエエんですわ。常にしかめっ面。言葉少な。シンプルな芝居。スピーディ。彼が熟練で、何を究明しようとし、見つけたもので咄嗟に何を判断したのか、コンマ1秒でこちらにも伝わってきます。列車ん中もとことんイヤーな奴、恐怖顔ばっかりで、泥まみれのケネディにもう「くっくっ」と歯食いしばりながら見たよ。いい映画だった。色々と思い返したいところだけど、今日はこの辺で。明日、家の扉開きますように。